令和３年度 鳥取県中部医師会立三朝温泉病院 病院指標

当院の整形外科は80歳以上の高齢者の転倒、転落による脊椎圧迫骨折が最も多くなっています。これは主に加齢や生活習慣病などによって骨密度が低下し骨が折れやすくなる骨粗鬆症が原因と考えられます。何かの拍子で尻もちをつく、転倒する、重いものをもちあげる等日常生活動作の中で引き起こすことが多いです。
このような患者さんに対しては,ギプスやコルセットを装着して骨折部分を固定し、安静を図ります。痛みを和らげる治療や骨粗鬆症の薬物治療も同時に行っていきます。そして在宅復帰を目指したリハビリ治療を行います。2番目に入院患者さんの多い変形性膝関節症とは、膝の軟骨がすり減り、膝に強い痛みを生じ始め歩行がしにくくなります。薬物治療や関節内注射で痛みを取り除く治療をおこなっても改善しない患者さんは人工関節置換術を行い、早期にリハビリ治療を行います。神経の通る脊柱管が狭くなり神経を圧迫する腰部脊柱管狭窄症、転倒や転落による股関節周囲の骨折を生じる入院患者さんも多くなっています。

※上位3位まで患者数が全て10件未満の場合はその診療科の表の掲載は行っていません。

当院整形外科では変形性膝関節症に対して行う人工関節置換術が昨年度同様全体の約4割を占めています。変形性膝関節症とは、年齢とともに膝関節の関節軟骨がすり減って、膝に強い痛みを生じる病気です。内服、関節注射など薬物治療やリハビリ治療を行っても症状が持続、悪化する場合は手術療法を行います。傷んだ軟骨や骨を金属等でできた人工関節の形に合わせて切除し自分の骨の上に人工関節をしっかりと固定する手術です。次に多いのは脊柱管狭窄症に対する椎弓切除術、椎弓形成術となります。頸椎、腰椎の狭くなった脊柱管を広げ、狭窄が発生している部分の骨を削って神経の圧迫を取り除きます。骨移植をおこない金属で固定する場合もあります。また転倒、転落による大腿骨骨折に対する骨接合術も多くなっています。これらの手術はすべて70歳以上の高齢者で大腿骨の骨折に関しては80歳以上の患者さんが多いようです。90歳以上の高齢の患者さんでも歩行困難で寝たきりにならないように積極的に手術治療をおこないます。